厳戒態勢のウクライナ 「今すぐ攻撃はない」 政府が強調する理由は

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モスクワ=喜田尚
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 ロシア軍がウクライナ国境付近に展開し緊張が高まる中、ウクライナでは政府が「今すぐ攻撃があるという状況ではない」との見方を繰り返し、国民にパニックに陥らないよう呼びかけている。「冷静な対応」を強調するのは、社会不安への懸念や、ロシアによる情報工作への警戒感からだ。

 「避難用のスーツケースを用意する必要はない」。ウクライナの通信社「ウクルインフォルム」によると、レズニコフ国防相は26日の記者ブリーフィングでこう話し、冷静な報道を呼びかけた。「軍は態勢を整え、課題を遂行する準備ができている」とする一方、「ロシア軍のどの部隊も、現状では攻撃が近いと思わせる編成になっていない」とも話し、欧米各国があらわにする危機感と一線を画す姿勢を示した。

 「侵攻の危機」を伝える国内外のメディア報道に国民の危機感が刺激され、社会不安が起きることへの懸念や、ロシアがSNSを使って仕掛けるとされる情報工作への不安もある。ゼレンスキー大統領は24日、25日と相次いでビデオ演説で国民に冷静さを保つよう訴えた。

 ウクライナの高官らが同国政府の「冷静さ」を特に強調するようになったのは、ロシア軍の侵攻の恐れを理由に米国が在ウクライナ大使館職員の家族に国外退避を命じた23日からだ。同日外務省は声明を発表。「過剰な警戒心の表れ」と珍しく米国の対応を非難した。

 翌24日、国家安全保障国防…

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