ロシアの要求、欧米は明確に「NO」 兵器配備など協議応じる姿勢も

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ワシントン=高野遼、ブリュッセル=青田秀樹 モスクワ=石橋亮介
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 北大西洋条約機構(NATO)の不拡大要求は受け入れられない――。米国とNATOは26日、ロシアの求めに応じない立場を書面で明確に示した。ウクライナ情勢の沈静化に向けた協議は昨年末から続くが、両者の溝は深い。緊張緩和の見通しは不透明なままだ。

 ウクライナ国境からの軍撤退を求める欧米側に対し、ロシアは昨年12月、緊張緩和の条件として、数々の要求を条約案として突きつけた。その中心が、NATOの不拡大だ。ソ連崩壊後、東欧などが入って30カ国に倍増したNATOに自らが脅かされているとして、旧ソ連国のウクライナなどを加盟させない確約を求めてきた。

 この日、米国とNATOは明確な「拒否」の姿勢を改めて伝えた。NATOは「オープン・ドア・ポリシー」と呼ぶ原則を持つ。軍事、政治、経済などの面で要件を満たし、安全保障の確立に貢献すると全加盟国が判断すれば、欧州のいかなる国でも新メンバーに迎えうると定めており、介入を許すわけにはいかないというのが一貫した立場だ。

 「米国と同盟国との間で意見の隔たりはない」とブリンケン米国務長官は言う。米国とNATOはほぼ同時に書面をロシア側に届け、連帯の強さをみせた。

 ただし、決裂を避けたい欧米側は、欧州の安全保障をめぐる協議には応じる姿勢も強調した。米国は書面で「共通認識を持てそうな分野について提案をした」(ブリンケン国務長官)という。東欧への兵器配備や、軍事演習の制限などをめぐるロシアの要求には前向きな姿勢をみせ、協議継続の糸口を見いだしたい考えだ。

 同時に「最悪の事態に備える」(ストルテンベルグNATO事務総長)として、ウクライナ侵攻が起きた場合の準備を加速させていることも隠さなかった。NATOの即応部隊(NRF)のうち、まず5千人規模をフランスの指揮下で数日のうちに展開できる態勢をとっている。投入の決定は短期間で可能だという。

 NATO内部ではすでに、米国やデンマークの戦闘機がバルト諸国の基地に到着しつつあり、ロシアへの警戒を強めている。(ワシントン=高野遼、ブリュッセル=青田秀樹)

「文書で回答」は、ロシアの要求どおり

 米国と北大西洋条約機構(N…

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