飛行機で30分の距離、4年待ってくれたお母さんの最期のメッセージ

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伊藤喜之
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 飛行時間、わずか30分。直線距離で約150キロ。隣り合う中東の湾岸産油国同士。それなのにカタールとバーレーンという二つの国は4年近く、遠く隔てられた。

 2017年6月、カタールはサウジアラビアやバーレーンを含む周辺4カ国などから一斉に国交を断絶された。これらの国と敵対するイランへの接近などが理由とされた。

 カタールでネットメディアなどを経営する実業家ハリファ・ハルーンさん(37)は困り果てた。行き来できなくなったバーレーンに、会わねばならない人がいた。首都マナマで1人で暮らす母デボラさんだ。

 航空会社に勤める父の都合で、家族は長らくバーレーンで暮らした。ハリファさんと妹たちは成人後に父とカタールに戻ったが、デボラさんだけは残った。気心が知れた友人が多く、何よりバーレーンを愛していた。カタールとの距離の近さも母の決断を後押しした。実際、兄妹は毎週末のように飛行機で母に会いに行っていた。

 断交後、追い打ちをかけるように母の病気が判明した。進行した胃がんだった。

 兄妹はメッセージアプリで…

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