知事選告示前、ネット上の選挙活動どこまでOK?「SNSは注意を」

石倉徹也、米田悠一郎
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 新型コロナウイルスの急拡大の中、まもなく始まる長崎県知事選(2月3日告示、20日投開票)。有権者との接触が制限される中、各陣営は告示前からインターネットで支持を広げようと躍起だ。ただ、告示を控えたいまの時期は、投票を呼びかける選挙運動は禁じられている。どこまではOKで、どこからアウトなのだろうか。

 「警告を受けました」。自民党の北村貴寿県議は24日、立候補予定者にあてた「必勝」の為書(ためが)きの画像をツイッターに投稿したところ、県警から事前運動にあたる恐れがあるとの連絡があったと明らかにした。

 北村県議は画像を削除し、「選挙は6戦やってますので、様々な経験がありますが、為書き通報は初体験」と驚きをつづった。

 公職選挙法は、立候補届け出前の選挙運動を「事前運動」として禁じる。ただ日常的な街頭演説などの「政治活動」なら問題ない。その境界線はどこか。県選管の担当者は「告示前の今の時期はグレーゾーンだらけ。特にSNSは注意をしてほしい」と話す。

 県選管によると、例えば「私を当選させてください」「○○さんを知事にしてください」とSNSに投稿することは、選挙運動とみなされる。立候補予定者が「立候補表明しました」と積極的に発信する行為もグレーだ。

 判断のカギの一つは、当選させる目的が強いかどうか。例えば「応援してほしい」と友人間でLINEで伝えるのと、ツイッターで広く伝えるのでは重みが異なってくる。

 対象の選挙が特定されているかどうかも大事なポイントだ。「公示・告示の数週間前に後援会加入のビラをまいていいか」との問い合わせに対する県選管の答えは「直近の選挙のための活動とみなされる恐れがあるので差し控えた方がいい」。一方、数年後の立候補を見すえたビラまきであれば、「政治活動として問題ない」という。

 県警は17日から取締本部を設置。サイバー犯罪対策課も入り、違反がないか目を光らせる。事前運動かどうかの判断材料としては、頻度や目的を挙げる。2018年の知事選では文書掲示違反などで計7件の警告があった。

 公示・告示後は選挙活動が解禁され、有権者や候補者はツイッターやLINE、フェイスブックなどで特定候補の投票呼びかけができる。ただ、有権者は電子メールで投票を呼びかけることは禁止だ。18歳未満の選挙運動も禁じられている。投票日になると過去の投稿のリツイート(引用)はできない。石倉徹也、米田悠一郎)

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 〈選挙運動〉 選挙のルールを定めた公職選挙法に定義はなく、最高裁の判例などで「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得または得させるために直接または間接に必要かつ有利な行為」と説明される。該当する行為を告示・公示前にすると公選法違反になる。政党などがその主義、施策を国民に訴える一般的な「政治活動」とは区別される。