ペシャワール会、食糧支援1万8千人 干ばつ深刻化のアフガニスタン

佐々木亮
[PR]

 干ばつと飢餓が深刻化するアフガニスタン人道支援に取り組むNGO「ペシャワール会」(福岡市)が東部ナンガルハル州で緊急食糧支援を始めた。同会は故・中村哲医師の手がけた医療、用水路建設、農業復興を長年支え、食糧支援はもともとの活動ではないが、村上優会長は「状況は切迫しており、可能な限り力を尽くしたい」と話す。

 現地では長年続く干ばつがいっそう悪化している。国連世界食糧計画(WFP)は昨年10月、この冬に人口の半分以上の2280万人が深刻な食糧不安に陥るおそれがあり、そのうち870万人が緊急事態の飢餓に直面すると発表。「世界最大の人道危機になりつつある」と、警鐘を鳴らした。一方、イスラム主義勢力タリバンが昨年8月に権力を掌握した後、タリバンに批判的な米国による資産凍結の影響で、銀行からの引き出しが制限されるなど経済が混乱。社会不安に拍車をかけている。

 ナンガルハル州は、中村さんが率いた現地のNGO「PMS」(平和医療団・日本)が拠点とする地域。中村さんが築いた用水路が潤す地域以外の州の大半で干ばつによって農地が土漠となり、避難する人が出ている。PMSが運営する診療所では、栄養失調や貧血となる子どもや妊産婦が多く見られるという。

 食糧支援は昨年12月、PMSスタッフから提案があり、準備を進めてきた。州内でも特に状況が厳しい6郡で実施する。妊産婦や栄養失調の子どものいる家族を中心に、1家族を10人と見積もり、1カ月分の小麦粉や米、豆類、食用油を1パックとして、計1800家族1万8千人への配給を計画。9万ドルの資金をやりくりした。円滑に配るため、PMSが州や郡の保健局、地元の長老らと協力。1月23日に開始し、2月上旬までに終える。

 ペシャワール会による食糧支援は、アフガニスタンが米軍などの空爆にさらされた2001年10月から02年にかけて以来となる。村上会長は「空爆こそないが、干ばつによる飢餓の中で冬を迎えた当時と似た状況にある。貧しい人や弱い人の命が脅かされている。この冬を乗り越えるための支えとなるように行動する」と話す。今後、資金のめどが立てば、州内の他の郡でも食糧支援を実施したいという。(佐々木亮)