ようこそ、ひなたの世界 新たな命と出会って 28日のカムカム
おめでとう、と3回言いたくなる。1月28日の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」は、めでたいことが次々にやってきて――。
まずは、ベリーこと一子(市川実日子)のお見合い結婚話。相手は日本舞踊のお師匠さんらしい。結婚式のデザートにと、るい(深津絵里)たちが営む「大月」の回転焼き200個を注文してくれた。
さらに、荒物屋あかにしの店主吉右衛門(きちえもん)(堀部圭亮(けいすけ))にも遅い春が来そう。相手の女性はそば屋の店員(宮嶋麻衣)だが、この二人、どこかで見たなと思いませんか。
そう、岡山編で安子(上白石萌音)の近所にいた荒物屋の夫婦。岡山編では戦争で死に別れたけれど、生まれ変わったかのように京都編で巡り合うなんて。堀部圭亮と宮嶋麻衣が、時代を超えた一人二役を見事に演じている。
三つ目の幸せは、るいと錠一郎(オダギリジョー)に。
赤ちゃんが生まれた。丸くてかわいい女の子。3代目主人公の登場だ。
よみがえる河原の2人
この日の放送では、岡山編のロマンスを思わせるシーンが随所に流れた。
たとえば自転車。錠一郎が乗れないことが分かり、るいと河原で特訓する。
「こわいこわい! 押さんといてって!」(錠一郎)、「顔上げてこぎつづけとったら、前に進むから」(るい)
昔々、安子と稔(松村北斗)にもそんなことがあったっけ。安子が河原で慣れない自転車に乗って、稔が後ろから押して。錠一郎とるいの姿に、あのころの安子と稔が重なる。
るいの妊娠が分かったのはそんな時だった。
「お父さんになれるかな」(錠一郎)
「なれるかな、お母さんに」(るい)
戦災孤児だった。母と生き別れた。いろんなことがあった2人に、新しい家族ができた。季節はもう、春になっている。(土井恵里奈)