先が読めないEV化に車部品老舗は? トップが語る生き残りのカギ

有料記事

三浦惇平
[PR]

 自動車部品メーカーを取り巻く環境の変化が激しくなっている。電気自動車(EV)をはじめとした電動車へのシフトが進み、工場の脱炭素に向けた動きも加速している。不透明な「大変革期」を、どう生き残るのか。自動車のゴム部品をつくる住友理工(名古屋市)の清水和志社長に聞いた。

〈住友理工〉 本社・名古屋市。自動車を中心に住宅など多くの分野でゴム、樹脂部品を扱う。自動車分野では、振動を抑える防振ゴムや、燃料を流すホースなどを手がける。1929年創業。2014年、「東海ゴム工業」から社名変更。売上高3979億円、従業員約2万6千人(21年3月期)。

期待は電池の断熱材

 ――電動化が与える事業への影響を、どう見ていますか。

 「当社のゴム部品は、エンジンの振動を抑えるためにも使われています。こうした部品は減る一方で、(EVに搭載される)電動モーターにもゴム部品は使われます。減る部品があれば、増える部品もあります。増える部品をコア技術でいかに生み出していくかが、企業を永続させるポイントです」

 「一番増えると期待しているのは、EVに搭載される電池に使う『断熱材』です。電池に異常発熱が起きた際に、車両火災になるのを防ぎます。自動車メーカーが細心の注意を払っている部分です。そこに、我々の技術がいかされます」

 ――トヨタが昨年12月、2030年のEVの販売台数目標を350万台に引き揚げると発表しました。

 「想定内の動きです。豊田章男社長が言われるように、EVの車種をそろえて、選択肢を用意しているということです。後は、お客さんが何を選ぶかということだと思います」

 「EVへのシフトがどう振れ…

この記事は有料記事です。残り1061文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら