• アピタル

山梨県、重点措置適用は避ける方針 「地域の特性を踏まえて対応」

新型コロナウイルス

吉沢龍彦、永沼仁 佐藤靖 三ツ木勝巳
[PR]

 新型コロナウイルス感染の「第6波」を受けた「まん延防止等重点措置」の対象地域が27日、34都道府県に拡大された。山梨を除く関東甲信越や東海圏の都県はすべて対象となったが、山梨県は今のところ適用を求めていない。長崎幸太郎知事は「地域の特性を踏まえて対応する」としているが、感染者が急増する中で難しいかじ取りを迫られている。

 重点措置の対象になると飲食店などに営業時間の短縮を要請することが可能になり、感染拡大防止のメッセージを強く打ち出せる。県内も昨年夏の「第5波」では適用を受けた。

 だが、長崎知事は第6波での適用には慎重だ。県独自の協力要請を発表した23日には、医療提供体制が保てる範囲で「社会経済を回す、生活を維持することを目指す」と述べた。

 一方で、県は従来の協力要請で、重点措置の対象区域への移動は通勤、通学、通院など、やむを得ない事情がある場合を除いて「自粛」を求めている。山梨を取り囲む都県はすべて対象地域なので、要請に従えば県外には出られない。

 東京方面への通勤・通学者が多い上野原市の村上信行市長は「いまは学生やサラリーマンが頑張り、なんとか踏ん張っている状態」と話す。県の対応については「経済を止めない面からは理解できるが、さらに急激に感染者が増えれば、より強い要請をお願いすることになる」と語った。

 甲府市の医療関係者は、「救急にも影響が出始めている。重症化率が低くても、このままでは機能を維持できない。より強い対策が必要」と訴える。「感染をしっかり抑えることが経済を守ることになる」という考えだ。

 甲府市中心部に店を構える飲食店主は「県外客はいなくなり地元の人も外出を控えている。客足はバッタリ途絶えた」と嘆く。「本音を言えば休業・時短の要請を出してもらい、協力金を支給してもらった方がありがたい」と話した。もっとも、第5波の際に申請した協力金もまだ振り込まれていないという。「秋以降の仕入れ代金の支払いが迫り、困っている」と打ち明けた。

 県によると、第5波の際には9823件の協力金申請があった。要件を満たすことが確認された申請の8割は支給が済んだが、2割はこれからだ。それとは別に、書類の不備などで審査途中の申請も少なくないという。「できるだけ早く支給できるよう、事務局態勢を増員して作業している」と説明する。

 第6波にあたっては、政府が新設した「事業復活支援金」の利用を呼びかけている。中小企業は最大250万円、個人事業者は最大50万円を受け取れる。県は商工会議所や商工会を通じた申請支援を始めた。(吉沢龍彦、永沼仁)

     ◇

 山梨県内で27日、新たに439人の新型コロナウイルスの感染が発表された。3日連続で最多を更新した。内訳は、県の管轄地域が339人、甲府市は100人。また、県は前日発表した感染者のうち、1人を取り下げた。感染者は延べ8139人(再陽性者を含む)となった。

 県は同日、25日に県内の医療機関で65歳以上の2人の女性が亡くなったことを発表した。これで県内の死者は32人になった。

 県管轄の保健所別の内訳は27日午後8時すぎの時点で発表されていない。

 また、県は中北地域のクラブチーム関係者のクラスターで新たに2人が陽性と確認され、この関係者は計28人となった。

 甲府市では、いずれも大学生や大学関係者に関する三つの集団感染が確認され、市はクラスターと判断した。感染者はそれぞれ、7人、10人、11人で、感染防止対策の徹底をしているという。(佐藤靖)

     ◇

 山梨県は新型コロナウイルスの入院患者が増えていることを受けて、26日付で専用病床の確保段階を最高段階のフェーズ5(緊急対応期)に引き上げた。病床の確保数をフェーズ4(まん延期)の331床から376床に増やす。

 県によると、県内の入院患者は26日時点で231人を数え、病床使用率は61・4%となった。宿泊療養施設での受け入れ分を加えた病床等使用率(重症用の病床を除く)は82・1%まで上昇している。

     ◇

 新型コロナ感染が急速に拡大するなか、山梨県は27日、「働く人や学ぶ人を守る人権相談ダイヤル」を新たに開設した。感染のリスクを抱えながら、働いたり学んだりしている人を対象にしている。県の臨時特別協力要請の期間となる2月13日まで実施する。

 健康上の理由でワクチンを接種できずに働いている人や感染したことで職場内で孤立感を抱いている人、感染を恐れて登校に不安を感じている人らの人権上の不安を取り除くことが目的。県民生活総務課の職員が電話で対応し、必要があればサポートも行う。

 電話は同課(055・223・1350)で、土日祝日も含め、午前9時から午後5時まで受け付ける。(三ツ木勝巳)

新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[記事一覧へ]