自宅療養でも「入院給付金」 コロナ下で生保各社取り組み進む

有近隆史
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 新型コロナウイルスの感染が拡大した昨夏の第5波では、陽性になっても医療がひっぱくして入院できず、自宅などで療養を余儀なくされるケースが相次いだ。入院の際の生活費などを保障する保険商品を販売する生命保険各社は、自宅療養も入院とみなし、入院給付金を支給対象とする取り組みを進めている。

 病気やけがの治療のために入院した際に支払われる入院給付金は、生保各社が販売する医療保険の一つ。「入院1日あたり○○円」が受け取れるというのが一般的だ。請求するには各生保所定の診断書などを提出する必要がある。契約上、給付金を受けられる疾病が限定されていなければ、コロナに感染して入院した場合も支給対象になる。

 ただ第5波では陽性でも入院できず、自治体が用意する宿泊施設や自宅で療養せざるを得ない人が続出した。

 一部の生保は、最初に感染が広がった第1波の2020年春から、自宅療養なども入院とみなし、入院給付金の支払い対象とした。こうした動きを受けて、生命保険協会はガイドラインを作成。感染症法上、陽性となって入院が必要にもかかわらず、医療機関が満床などの事情で宿泊療養、自宅療養している人について、病気やけがを限定せずに入院給付金を支払うすべての保険商品で給付金を受け取れるようにした。

 具体的には、申請に使える、「宿泊・自宅療養証明書」を同協会が用意した。医師に限らず、自治体や保健所の担当者でも宿泊・自宅療養したことを証明する欄に署名できるようにするなど柔軟に手続きができるようにした。

 同協会によると、21年12月末時点で474・9億円を「みなし入院」として支給。コロナによる入院給付金の7割超を占めているという。濃厚接触者として自宅待機などになった場合は対象外だ。

 通院に関しても、実際に医療機関に行かなくても、医師による電話やオンラインによる診療を受けた場合でも通院給付金の支払い対象になる場合もある。また亡くなった場合、通常の死亡給付金だけではなく災害特約の支払い対象としている生保もある。緊急事態宣言が出た際には、全社とも家計の急変に配慮して保険料の支払い猶予期間を延長するなどの対応も行っている。

 変異株「オミクロン株」の感染が急拡大しており、陽性になっても自宅療養する人が今後も増えるおそれもある。同協会の担当者は「実際に入院していなくても入院とみなして給付金をお支払いするので、忘れずに請求してほしい」としている。詳細は契約している各社へ。有近隆史