北朝鮮、27日に「地対地戦術誘導弾」 目標命中で「今後も開発」

鈴木拓也=ソウル、園田耕司=ワシントン
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 北朝鮮朝鮮中央通信は28日、北朝鮮の国防科学院が27日に「地対地戦術誘導弾」を2発試射したと報じた。同日午前に北朝鮮東部の咸興(ハムフン)付近から日本海に向けて発射された短距離弾道ミサイル2発を指すとみられる。同通信が配信した写真から、日米韓は、ロシア製の「イスカンデル」に似た「KN23」と分析する。

 同通信によると、2発は目標に設定した島に命中し、弾頭の爆発威力が設計通りであることが確認されたという。国防科学院が今後も、様々な戦闘的機能と使命を遂行する強力な弾頭を開発するとしている。韓国軍は、同日に発射された2発の飛行距離を約190キロ、高度は約20キロと探知。北朝鮮北東部の日本海沿岸にある無人島に着弾したとみていた。北朝鮮は14日と17日にも、「戦術誘導弾」と称する短距離弾道ミサイルを2発ずつ発射している。

 同通信は、国防科学院が25日にも「長距離巡航ミサイル」2発を試射したと伝えた。2発の巡航ミサイルは日本海上に設定された飛行軌道に沿って9137秒(約2時間半)飛行し、1800キロ先にある目標の島に命中したという。韓国軍は、同日朝に巡航ミサイルとみられる2発の発射を確認していた。

 同通信はまた、金正恩(キムジョンウン)総書記が重要兵器を生産している軍需工場を現地指導したと報じた。日時や場所は明らかにしていない。正恩氏は、昨年1月の朝鮮労働党大会で示した軍需政策を「徹底して貫徹するための総突撃戦に一丸となって立ち上がるべきだ」と述べたという。同通信は、工場で働く労働者を「命より貴重な共和国の自衛権を侵害しようとする米帝国主義者の挑戦を踏みにじり、総書記の強い意志を受けた忠実な国防工業戦士」と評した。

 2月16日には故金正日(キムジョンイル)総書記の生誕80周年を迎える。米韓は、北朝鮮がこうした記念日に合わせ、国威発揚を狙った軍事パレードや、ミサイル発射などの軍事的示威行動に出る可能性があるとみて警戒する。

 米国務省のプライス報道官は27日の記者会見で、「我々は引き続き北朝鮮との対話を模索し続け、前提条件なしで北朝鮮側と会談する用意がある」と述べ、対話路線を続ける考えを示した。また、「我々は常に中国に対し、影響力を行使するよう求めている」と述べ、中国も北朝鮮に働きかけるように求めた。バイデン米政権は対話によって北朝鮮の段階的な非核化を目指す「現実的アプローチ」を採用し、北朝鮮に非核化交渉の再開を呼びかけているが、北朝鮮側は応じていない。米政府関係者からは「現実的アプローチを見直すべきだ」という意見も出ている。(鈴木拓也=ソウル、園田耕司=ワシントン)