リモートワーク時に震度7 襲いかかる本棚、世界最大規模施設で実験

神田明美
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 高層マンションの本棚に囲まれた書斎で、在宅ワーク中に首都直下地震が起きると、どうなるのか。世界最大規模の震動実験施設、防災科学技術研究所の「Eディフェンス」(兵庫県三木市)で、居住空間とオフィスを震度7相当で揺らす実験があり、報道機関に公開された。

首都直下地震時 在宅ワークの書斎は 震度7想定実験=防災科学技術研究所提供、科学医療部・神田明美撮影

 設定した条件は、地上41メートル。低層階に比べて揺れが大きくなる。ガタガタと家具が動き始めて10秒ほどで激震が来た。

 書斎では、人形が座った車輪つきの椅子が勢いよくすべると同時に、背後から壁に固定されていない本棚が倒れかかり、人形は下敷きに。L字金具で壁に固定された本棚二つのうち一つも倒れてしまった。

 リビングダイニングでは、棚の食器や電子レンジが床に落ち、食器は粉々に。食器棚は固定されていたため倒れなかった。子ども部屋では棚が倒れた。

 居住空間の棚は、壁に固定する対策をしたものとしなかったものがあった。L字金具で固定した本棚の一つも倒れたが、転倒しなかった棚のほとんどは、壁に固定する対策がされているものだった。

 同じ地震で、1階の場合はどのように揺れるかも同じ部屋を使って再現。震度6強相当で、棚の上の花瓶が落ちたが大きな被害はなかった。

 防災科研によると、2016年の熊本地震では屋内の負傷・死亡原因のうち家具や家電の転倒が34%、天井や配管など「非構造部材」の落下が10%。ガラスや金属の破片が6%だった。

 新型コロナの流行で在宅ワークが増えていることから、住居内の地震対策を検証することも今回の実験の目的だった。佐藤栄児・主任研究員は「建物が無事でも家具が倒れれば亡くなる人もいる。家具は固定すると転倒を減らすこともできる。本棚の上の方には重い本を入れないことも重要」と話した。(神田明美)