国軍のクーデターから約1年が経ったミャンマーでは、依然として国軍による弾圧がやまず、混乱が続いている。
かつての軍政時代の1980年代に抗議デモを率いた民主化指導者は、再び訪れた国軍の支配をどうみているのか。長く政治犯として投獄された経験を持つ民主化指導者のコーコージー氏(60)が、ミャンマーの中部ピンウーリンで取材に応じ、対話よりも武力闘争に傾く市民の動きに警鐘を鳴らした。
コーコージー氏との主なやりとりは次の通り。
――昨年2月1日のクーデターから1年がたち、状況はますます悪くなっています。
ミャンマー経済はクーデター後の混乱で落ち込みました。人々の生活は苦しくなり、街では強盗などの犯罪が増えていますが、法の支配は機能していません。一般の市民には法的な保護が全くない状況です。
市民は国軍や治安当局への不信感と対決姿勢を強めています。武装した市民から狙われるため、警察も自分たちの安全を守るのに精いっぱいです。国の未来が心配でなりません。
「対話を訴えたら、市民から脅迫を受けた」
――そもそも、国軍がなぜ国際社会の非難を覚悟でクーデターを起こしたのか。わからない部分がいまだに多く残っています。
私は民主化運動に携わり、政…
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