株の公開価格、一方的値付けは「独禁法違反のおそれ」 公取委が見解

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若井琢水、稲垣千駿
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 企業の株式上場の際に投資家に売り出される株の「公開価格」について、公正取引委員会は28日、証券会社が一方的に低く設定した場合、独占禁止法違反のおそれがあるとの見解をまとめた。証券会社に対し、企業と十分協議して価格を決めるよう求める。

 公取委は、昨年8月までに新規株式公開(IPO)した企業や、上場手続きを担う証券会社などへの実態調査の報告書を公表した。独禁法違反にあたる事例はなかったが、調査をもとに問題となる行為の考え方を示した。

 企業はIPOの際、主幹事とよばれる証券会社と話し合って公開価格を決める。日本は証券会社主導で価格が低く設定され、欧米に比べて企業の資金調達額が少なくなるとの指摘が以前からあった。昨年6月の政府の成長戦略実行計画でも、こうした状況を見直すことを盛り込んでいた。

 報告書では、価格設定に関して「算定根拠について説明を求めたが、説明を受けることができず、交渉についても取り付く島がなかった」などの企業側の声を紹介。上場手続きが進むと主幹事を変えることは難しくなると指摘し、証券会社が合理的な根拠を示さずに価格を低く設定すれば「(独禁法上の)優越的地位の乱用に当たるおそれがある」とした。

 そのうえで、公開価格について「十分協議を行い、上場会社が十分納得したうえで設定すること」を求めた。ほかにも、証券会社が上場手続きの手数料を同業他社と申し合わせたり、他社が主幹事を引き受けることを妨害したりした場合、独禁法上の問題になる可能性があると明記した。

■証券会社の反論は…

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