ひきこもり支援業者が連れ出し 依頼した親にも賠償責任 東京地裁

高橋淳
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 ひきこもり支援をうたう業者に自宅から無理やり連れ出されたなどとして、千葉県の30代女性が、業者の元従業員男性2人と自身の母親に約550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、3人に55万円の支払いを命じた。下沢良太裁判長は「女性は意に反して連れ出され、母親もそれを認容していた」と判断した。

 判決によると、女性はひきこもり状態だった2017年10月、予告なしに女性の部屋に立ち入った元従業員らに連れ出され、監視付きの施設で外出困難な状態に置かれた。業者とは、女性との生活に悩む母親が女性に無断で契約していた。

 判決は、いきなり部屋にきた元従業員に少なくとも7時間にわたって説得され、部屋着で裸足のまま部屋を出るのを余儀なくされたと指摘。母親についても、女性の意思に反してでも入所させることを認めていたとして業者側との共謀が成立するとした。

 原告側の望月宣武弁護士は、「業者による連れ出し行為を不法とし、親の共謀を認めた意義は大きい」と話した。賠償を命じられたのは、ひきこもり支援施設「あけぼのばし自立研修センター」を運営していた「クリアアンサー」(東京都新宿区、19年に破産)の元従業員。(高橋淳)

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