新型コロナウイルス感染症は、感染力の強い変異ウイルス「オミクロン株」の影響もあって急拡大し、自宅で療養する人も激増している。自宅療養になった時、何に気をつければいいのか。感染に備えてできることは何か。
コロナ患者の往診をしている医師への取材や、自治体の資料をもとにまとめた。
ウイルスは、主にせきや会話で出る飛沫(ひまつ)でうつる。空気中に漂うこともある。
同居人にうつさないためにまず、部屋を分けよう。
感染者はできる限り部屋から出ないようにする。出るときは、手洗いかアルコール消毒をし、マスクをつけよう。不織布マスクが望ましい。
部屋数が少ない場合、高齢者ら重症化リスクの高い人を感染させないよう、優先して個室に入れるとよい。
部屋を分けられなければ、2メートル以上の距離を空け、仕切りやカーテンで区切って過ごす。
会話は控えめに、離れて電話で話すのも手だ。
食事は一緒にとらず、時間をずらそう。
入浴は、感染者が一番最後とする。
感染者の世話は、できるだけ限られた人でする。同居人もマスクを着けよう。
換気も重要だ。
日中は、窓を5~10センチ開けての換気が推奨されるが、今は寒くて、簡単ではない。
感染者がいる部屋に同居人が入る1時間ほど前に重点的に換気するのも一つの手段だ。
24時間換気システムや、台所などの換気扇の活用にも効果はある。
ウイルスがついた手で物に触れると、ウイルスが表面につく。
同居人がその場所を触り、自分の口や鼻、目に触れることでも感染する。
共用で使うドアノブやトイレ・洗面台のレバー、スイッチなどはよく消毒しよう。
アルコールや薄めた漂白剤などで拭き取るとよい。
使ったマスクや鼻をかんだティッシュなどは、密閉して捨てよう。
自分の体調はどう管理すればいいのか。
自宅療養者が急増する地域では、医師らによる健康観察を簡略化する動きが出ている。
悪化の兆候を早めにとらえることが大切だ。
保健所などから届く「パルスオキシメーター」で測る酸素飽和度が客観的指標になる。
93%以下だと酸素吸入が必要だ。
前日から急に下がったり、パルスオキシメーターをつけて軽い運動をして3、4ポイント以上、飽和度が下がったりすれば注意しよう。
パルスオキシメーターがなければ、呼吸回数が参考になる。
1分間に20回を超すと、注意が必要だ。
こうした場合には肺炎が疑われる。指定された連絡先に、症状の変化とともに伝えよう。
生活上の注意点としては、脱水を防ぐため、水分を多めにとる。
血栓を防ぐため、血流をよくするふくらはぎのマッサージや室内を歩くといった軽い運動が有効だ。
いつ、どこで感染するかわからない。備えも重要だ。
配食サービスなどをする自治体もあるが、すぐには来ない。
数日分の経口補水液やスポーツ飲料、レトルトのおかゆ、冷凍のうどんなど簡単に食べられる物があると役立つ。
普段のんでいる薬、解熱鎮痛薬、トイレットペーパーやティッシュペーパーなどの日用品などがあるかも確認しておこう。
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参考にした主な資料は以下の通り。
東京都の自宅療養者向けハンドブック(https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/shien/zitakuryouyouhandbook.html)
大阪府の自宅療養者支援サイト(https://www.pref.osaka.lg.jp/kansenshoshien/jitaku_ryouyou/index.html)の「しおり」
神奈川県の自宅・宿泊療養のしおり(https://www.pref.kanagawa.jp/documents/61069/shiori_18_web_1.pdf)(編集委員・辻外記子)
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- 【視点】
今や、すさまじい勢いで自宅療養者やその家族が増えていると思う。自分は大丈夫と思っていても、感染はすぐそこまで来ていると思った方がよい。 備えあれば憂いなしではないけれど、こういう情報を多くの方に知っておいてほしいので、ぜひ拡散してほし

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