国重文の商家「中島家住宅」修理完了、2月から公開 福岡・添田町

遠山武
[PR]

 江戸時代末期から続いた商家のたたずまいを伝える福岡県添田町国指定重要文化財「中島家住宅」の保存修理工事が完了した。建築当初の姿に復元された主屋を中心とする施設が2月1日から公開される。町は貴重な歴史遺産の保存とともに、地域の活性化に向けた活用策を探る。

 中島家住宅の敷地は約4200平方メートル。木造切り妻造り一部2階建ての主屋(延べ約320平方メートル)、しょうゆ蔵、酒蔵、塀(総延長30メートル)、中門の計5施設が1977年に国の重文に指定された。

 主屋は1859(安政6)年、日田と小倉を結ぶ日田街道の宿場町に建てられた。当主は中島姓を名乗るようになり、ハゼろう作りや酒、しょうゆの醸造で財を成した。大正期には銀行頭取も務める地域の有力者に。3代目当主の没後に空き家になっていたが、2013年に町が取得した。

 老朽化が進んでいたため、17年に指定施設全体の保存修理に着手。復元を目指した主屋は柱や梁(はり)の基軸部を除いて解体したうえ、使える部材は再利用し、腐食箇所は補修して建て直した。増改築箇所は撤去して元の間取りにし、耐震補強も施した。国、県の補助を得た総事業費は約4億7千万円。大屋根に白いしっくい壁が映える豪壮な往時の姿がよみがえった。

 町の文化財担当者は「創建時の商家の暮らしぶりがよくわかる形に復元された。多くの人に知ってほしい」と話している。

 文化財の保存と活用を両立させるのが今後の課題。町は、広大な庭も含めた敷地と施設全体の管理・活用を担う民間事業者の選定に向けて準備を始めている。

 一般公開は2月1~15日の毎日午後1~4時、16日以降は土日の同時間帯。入場無料。問い合わせは添田町まちづくり課(0947・82・1236)へ。(遠山武)