佐渡金山を世界遺産登録へ推薦 岸田首相、新潟と党内の声で方針転換

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 岸田文雄首相は28日、2023年の世界文化遺産登録をめざす国内候補に選ばれた佐渡金山遺跡(新潟県佐渡市)をユネスコへ推薦すると表明した。2月1日に閣議了解する。政府は当初、韓国が歴史問題を理由に撤回を要求し、登録の見通しが立たないとして推薦を見送る方向で調整していたが、方針を転換。地元関係者や自民党内から推薦を求める声が強まっていた。

 首相は28日夜、首相官邸で記者団に「本件登録に向けては様々な議論、意見がある」とした上で、「いつ申請することが登録に向けて最も効果的なのか検討を重ねてきたが、本年申請を行い、早期に議論を開始することが登録実現への近道であるという結論に至った」と語った。

 佐渡金山遺跡は昨年末、文化審議会が推薦候補に選んだ。16~19世紀に、伝統的手工業による生産技術や生産体制を深化させた金生産システムを示す遺構として価値があるとされた。

 一方、韓国政府は、戦時中に佐渡の鉱山で朝鮮半島出身者が働いており、「強制労働被害の現場だ」などと主張、選定撤回を要求した。日本政府は「文化遺産としての価値はあくまで江戸時代が対象」との立場をとる。ただ、韓国が反対する中で推薦に踏み切ってもユネスコでの登録は困難とみて、23年以降に先送りする方向で調整していた。

 しかし、新潟県の花角英世知事ら地元関係者は、推薦するよう要請。自民党内からも反発の声が出た。安倍晋三元首相は「論戦を避ける形で登録を申請しないというのは間違っている」と訴えるなど、党内議員から推薦を求める声が相次いでいた。

 このため、夏に参院選も控える首相は、新潟や党内の声を重視して、推薦に踏み切ったとみられる。

 23年の登録審査を受けるに…

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