国内自動車8社、昨年の世界販売6.1%増 コロナで生産回復に課題
国内の大手自動車メーカーが2021年に世界で販売した台数は、需要回復もあり前年よりおおむね増えた。トヨタ自動車が28日に発表した、グループのダイハツ工業と日野自動車を含む台数は1049万6千台(前年比10・1%増)で、2年連続の世界首位が確定した。ただ、各社とも半導体不足もあって生産は十分できておらず、足元では感染拡大の影響も受けている。
トヨタの世界販売は2年ぶりに1千万台を超えた。コロナ禍前の19年の1074万2千台までは戻っていない。独フォルクスワーゲングループ(VW)と首位争いをしてきたが、21年もトップを守れたのは半導体の調達力の差だ。
トヨタはグループの部品メーカーのデンソーなどと連携し在庫を確保することで影響を抑えた。VWは半導体不足が直撃し、世界販売は888万2千台(4・5%減)だった。3位は日産自動車と三菱自動車、仏ルノーの3社連合の768万1千台で、前年からほぼ横ばいだった。
国内大手8社の世界販売は6・1%増の2491万7千台で、3年ぶりに増えた。
トヨタの世界生産はグループ全体で1007万6千台と前年比9・4%増えた。トヨタ単体の国内生産は1・5%減の288万台。国内でいまの雇用や技術を守るための目安とされる300万台を2年連続で下回ったが、「300万台をつくる体制は維持できた」(広報)という。
感染急拡大で相次ぐ操業停止
21年は半導体不足やコロナ禍による部品の調達難で、夏以降に各社とも大幅な減産を強いられた。需要は堅調で、販売店の在庫は減っており、欲しくてもすぐには買えない状況になっている。各社は22年は生産の回復を急ぐ方針だ。トヨタは22年度は単体で過去最高の1100万台程度の生産を計画している。
だが、今年に入りオミクロン…