将太の遺影にやっと言えた 殺人罪で男起訴、父は裁判と向き合う

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岩本修弥
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 神戸市北区の路上で高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺された事件から約11年3カ月。神戸地検が事件当時17歳だった男(29)を起訴したことを受け、将太さんの父・敏さん(63)が28日、神戸市内で会見を開いて心境を語った。

 「息子がなぜ命を奪われなければならなかったのか。真実が明らかになることを望む」

 息子を奪われた父として、犯人にはできるだけ重い刑を負わせたいという思いは消えない。殺人罪での起訴が決まるまで、眠れない日々が続いた。起訴状によると、男は将太さんの体を折りたたみ式ナイフで刺し、殺害したとされる。「傷害致死罪になるかもしれない。罪が軽くなってしまうのではないか」。ずっと気がかりだった。

 起訴の一報は、兵庫県警の担当刑事から28日午前に聞いた。毎日話しかけるという将太さんの遺影や遺骨に、殺人罪で起訴されたことを報告したという。

 男の逮捕後、敏さんは神戸地裁に頻繁に足を運ぶようになった。どんな点が着目され、どんな判決が下されるのかが気になり、殺人事件や死体遺棄事件などの裁判員裁判の傍聴を続けている。

 逮捕まで10年10カ月の間、事件の解決を願ってビラ配りや取材対応を続けてきた。ただ唯一、望まなかった解決は、犯人の自首だった。強い思いを、会見で改めて語った。「犯人は11年間、一日一日罪を重ねてきたと僕は思う。こっちから見つけたる」

 裁判に向けて、事件を思い返すつらい日々が続く。「(犯人は)未来を奪った。将太の人生も、僕ら家族の11年間も。反省してくれ、とは言わない。やっただけの罰を受けて欲しい」

 男の逮捕から、心に決めたことがある。「もっと強くならなあかん。頑張らなあかん」。不安や安堵(あんど)で心が揺れる中、裁判に向き合う日々が始まった。

当時は少年、いまは成人 今後の裁判や量刑は?

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