ロッテはなぜ、チョコのダリケーを子会社にしたか 社長2人に聞く

有料会員記事

編集委員・北郷美由紀
[PR]

2030 SDGsで変える

 環境や人権を大切にしたチョコレートづくりで先駆ける京都の専門店「Dari K(ダリケー)」が、大手菓子メーカーのロッテの子会社になりました。SDGs(持続可能な開発目標)の実現を目指して結びついた、双方のトップに聞きました。(編集委員・北郷美由紀)

カカオの不条理を変えたい」と創業

 ダリケーは金融アナリストだった吉野慶一さんが、「カカオをめぐる不条理を変えたい」と2011年に創業した。豆の買い取り価格がニューヨークやロンドンの先物取引市場で決まるため、農家は自力で貧しさから抜け出せない。チョコレートの味を知らないことも多い。アジア最大の産地であるインドネシアを何のつてもないまま訪ねたのが始まりだった。

 吉野「努力が報われるようにしたかったので発酵技術をいっしょに磨き、質の良い豆は高く買い取っています。子どもたちを大学に進学させる農家も出てきて、希望を感じています」

 契約農家は10年で500軒に。日本からのツアーで進めた生産者と消費者の顔の見える関係づくりは、現場が減農薬に取り組む原動力にもなっている。アグロフォレストリーと呼ばれるバナナやマンゴー、トウガラシなどとの混植の奨励で、不作時の収入確保と気候変動への適応も進む。ブランド力も着実に築きあげてきた。チョコレートは国際的な品評会で評価され、百貨店や高級ホテルからも声がかかる。それでも、吉野さんは悩み続けていた。

 吉野「自分たちの手が届く範囲では、課題解決にほど遠い。広げる方策を探っていたら、出会いがありました」

 それが、ロッテの牛膓(ごちょう)栄一社長だった。

 牛膓「コロナ禍で持続可能な…

この記事は有料会員記事です。残り1052文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
  • commentatorHeader
    蟹江憲史
    (慶應義塾大学大学院教授)
    2022年2月1日2時39分 投稿

    【視点】 最後に書かれている点はとても大事な点だと思います。単なる事業の強化に終わるのではなく、変革をスケールアップすること、それが今求められています。もしこうした子会社化がスケールアップの一つの方策としてあり得ることだと証明できれば、そのためのエ