高齢者施設でクラスター多発 「重症化しにくいから大丈夫、でない」

新型コロナウイルス

岡田将平
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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、高齢者施設でのクラスター(感染者集団)の発生が相次いでいる。感染した入所者を施設内で介護する職員は、自身が感染する不安も抱えながら拡大防止に注力。感染者全体のうち高齢者の割合も高まり、入院が必要な人の増加も懸念されている。

 「ウイルスの強さを実感した」。今月、職員4人と入所者6人の計10人が感染するクラスターが起きた広島市内の高齢者入所施設の担当者はもらす。入所者は約100人。もともとオンラインかアクリル板越しとしていた面会を、9日からのまん延防止等重点措置適用に伴いオンラインのみにし、職員の感染対策も徹底していたが、防げなかった。

感染者の部屋に入るときは防護用ガウン

 感染して入院した入所者もいた一方、複数の入所者は施設内での療養に。区の保健センターの指導を受け、感染者と非感染者の区域を分ける「ゾーニング」を実施。感染者の部屋に入るときは防護用ガウンを着用して介護にあたった。

 ただ、職員は感染対策には慣れているわけではなく、担当者は「職員は不安と日々闘いながらの介護だったと思う」。夜間には看護師がおらず、「急変したら医療的措置ができない」という懸念もあった。

 広島県内では老人ホームなどを指す「高齢者施設」や高齢者が利用するデイサービスなど「介護事業所」でのクラスターが多発している。県は25日、今月発生した28件のクラスターを発表。うち4件が高齢者・障害者施設、4件が介護事業所だった。

 広島市では27日までに発表された今月の33件のうち、高齢者施設が11件、介護事業所が3件を占める。感染者の発生により、一時休業する介護事業所もある。

 県の担当者は「施設にウイルスを持ち込ませないため、施設の従事者の方の高い感染対策が必要」と指摘。早期に感染を把握するため、今月中旬から、高齢者が入所する施設の職員らに月に2回のPCR検査を実施している。

 施設以外の高齢者の感染も増えており、県のまとめでは、全体の感染者のうち60歳以上が占める割合は今月4~10日の1週間は8・3%だったが、18~24日の週は15・3%に上がった。

 中等症以上となる割合は、第6波では感染者全体の0・7%に対し、60代以上は4・8%に上がる。第3~5波では同年代が2~3割だったことに比べると低いが、県の担当者は「感染者が増えれば、入院しないといけない人数も増える。『オミクロン株は重症化しにくいから大丈夫』とはならない」と注意を呼びかけている。(岡田将平)

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