米消費支出5.8%増 39年ぶり高水準 GDPもレーガン期以来

ニューヨーク=真海喬生、ワシントン=青山直篤
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 米商務省が28日に発表した昨年12月の個人消費支出(PCE)の物価指数は、前年同月比の上昇率が5・8%と、1982年7月(5・8%)以来39年5カ月ぶりの高水準となった。前月(5・7%)から伸びは加速。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も4・9%と、83年9月以来の高水準となった。

 PCEは、米連邦準備制度理事会(FRB)が特に注目する指標。物価を押し上げているのは、大規模な財政金融政策などに支えられた力強い需要回復だ。27日に発表された昨年の米国の実質国内総生産(GDP)は、前年比5・7%増と、物価上昇と景気停滞が重なる「スタグフレーション」から抜け出したレーガン政権期の84年の7・2%以来の高水準となった。

 ただ、感染への懸念や手厚い支援策から就労を控える動きが強まり、コロナ下の物流の混乱もあって労働力と製品の供給が滞っている。その結果、深刻な物価上昇が消費者を直撃し、経済回復の実感が届いていない。バイデン米大統領は27日、GDP発表後の声明で「この20年間で初めて、米経済が中国よりも勢いよく成長した」と述べつつ、製品供給網の強化に力を注いでいることを強調した。

 FRBは3月に利上げを実施し、物価抑制に向けて「機敏に」(パウエル議長)対処していく方針だ。投資家は急ピッチで進む金融引き締めに警戒感を高めており、米株式市場への逆風が強まっている。

 調査会社IHSマークイットは、米国の22年1~3月期のGDP成長率を、年初の3・6%増から1・9%増に引き下げた。昨年12月の小売りの落ち込みやオミクロン株の経済への影響を踏まえ、個人消費の減速を見込んだ。(ニューヨーク=真海喬生、ワシントン=青山直篤)