京都府の新年度予算案1兆382億円 過去最大、コロナ対策に重点

高井里佳子
[PR]

 京都府は28日、2022年度一般会計当初予算案を発表した。前年度より31億9千万円(0・3%)増えて、過去最大の総額1兆382億7200万円。知事選を4月に控えるなかでの「骨格的予算」で、新型コロナウイルス禍への対策に重点的に配分している。(高井里佳子)

     ◇

 21年度の2月補正予算案を含む「14カ月予算」として一体的に編成した。2月補正分の465億4千万円と合わせ、2月4日開会の府議会に提出する。

 コロナ対策費は、14カ月予算でみると約2割を占める2312億円。医療関連は487億円。病床確保に332億8千万円、宿泊療養施設の整備運営に60億円、検査キット購入など検査体制の確保に12億9千万円を充てる。ワクチン接種会場の運営や職域接種をする事業所への支援などに33億9千万円を計上した。

 コロナで疲弊する経済への対策では、離職者の再就職や企業の業種転換などの支援に2億4千万円を、伝統産業事業者の新事業の支援などに3億2千万円を充てる。看護や福祉の施設職員の給与を月平均4千~9千円ほど上げるため、39億6千万円を盛り込む。

 府が掲げる「子育て環境日本一」に向けた施策では、不妊治療の保険適用分と合わせ、10回までの治療費を府が支援するため、3億7千万円を計上した。

 文化庁の京都移転に関しては、22年12月に新庁舎が完成し、23年3月に京都での業務開始となる予定。施設整備費として35億6千万円を計上した。

     ◇

 過去最大の歳出額をどうやって賄うのか。

 一般会計の歳入の約3割を占めるのが府税。21年度を270億円(10・7%)上回る見込みだ。コロナ禍から企業業績が回復し、法人府民税と法人事業税の合計額が前年度比32・8%増となる見通しという。

 一方、歳入で減ったのは府債(府の借金)。22年度は、21年度より516億4千万円(37・3%)少ない866億4千万円を発行する。府によると、借金減の主な要因は、予算不足の穴埋めとして発行する臨時財政対策債が減るからだ。

 22年度末の府債残高は、前年度末よりも約172億円(0・7%)少ない約2兆4307億円の見込み。府民1人あたり96万1千円が将来世代の負担として残ることになる。

 節約にも取り組む。府は特別職と管理職の給与削減や事業の見直し、未利用地の売却などで約71億円分を捻出した。

 ただ、一般会計の歳出のうち、借金返済にあたる公債費が占める割合は前年度と同じ11・1%で、53・7%の扶助費・補助費(医療費介護費など)、20・9%の人件費に次ぐ規模となっている。

主な新規・拡充事業(2月補正予算を含む)

●女性の活躍の場を支援するための拠点整備費(1億2千万円) 京都ウィメンズベースなど、府内の三つの女性活躍拠点を京都テルサ(京都市南区)へ集約して、相談窓口を一元化

●「アート&テクノロジー・ヴィレッジ」整備(4億円) 異業種・異分野の企業が一緒に製品や技術を開発するのを支援する拠点として、大山崎町に2023年度に開設予定。基盤整備工事を実施

医療的ケア児の支援強化事業費(5400万円) 胃ろうやたんの吸引といった医療的ケアが日常的に必要な子ども(医療的ケア児)の家族からの相談に看護師が応じる「医療的ケア児等支援センター」(仮称)の設置や、特別支援学校への通学時の支援

●子育てにやさしい風土づくり(3800万円) 「(乳児が)泣いてもかましまへん!」と書いたステッカー配布などをする「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」の発信や、母子健康手帳に代わる、産後ケアなどの情報が充実した府独自の「子育て環境日本一手帳」の作成

●府庁旧本館ルネサンス事業(8500万円) 文化庁の京都移転をきっかけに、府庁旧本館が「文化首都」のシンボルとしてふさわしい施設になるよう、建物の南側にある正庁周辺を重点的に再整備。正庁内の赤じゅうたんの張り替えや付近にある大理石階段の手すりを清掃

●海洋調査船の建造(11億1千万円) 老朽化した海洋調査船「平安丸」に代わり、水深などを音波で把握できる最新の海底地形探査装置を持った新たな調査船(180トン級)を建造

●府立高校のタブレット端末導入の支援(1億9600万円) 府立高校生が端末を購入にあたって、年収472万円未満の世帯は費用の3分の2、それ以外は3分の1を補助

●教員業務支援員の追加配置(1億6千万円) 授業の準備支援や消毒を担う支援員をすべての小中高校、特別支援学校に置く

●デジタル学習支援センター(仮称)設置(1700万円) ICTのコンテンツの紹介や配信、研修など人材育成を行う拠点を4月から府教委に設置

ヤングケアラーの支援態勢を強化(2700万円) 家事や家族の世話など本来は大人が担う家庭の仕事を日常的にやっている子ども(ヤングケアラー)を支援するため、ヤングケアラー総合対策センターを創設し、相談を支援につなげるためのコーディネーターを配置