「仕事がない」履歴書を手に座り込む若者たち 絶望して国外へも

有料会員記事ミャンマーはいま

ヤンゴン=福山亜希、シンガポール=西村宏治
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 国軍によるクーデターが発生して1年となるミャンマーで、経済的な苦境が続いている。新型コロナウイルスの影響もあり、国際労働機関(ILO)は、2021年に約160万人の仕事が失われたとみる。昨年7月以降、人が戻り始めたオフィスもあるが、賃金は上がっておらず、経済の早期回復は見通せない。

 昨年11月中旬、30人ほどの若者が閉ざされた門の前に座り込んでいた。ヤンゴン北部のラインタヤ地区。小さな工場の前に集まっていたのは、職を求める人たちだ。手には、手書きの履歴書を握りしめている。

 「給料は日給4800チャット(約310円)。クーデター後は仕事がないから、少しでも募集があるとすぐに行列ができてしまう」。20歳という男性が言った。

 ラインタヤ地区はもともと縫製工場などが集まっていた地域だ。職を求めて国内各地から集まり、不法に住み着いた労働者も少なくなかった。

 だがクーデター後の混乱の中で、中国資本の工場が放火された。国軍は戒厳令を出して一帯を封鎖。不法な住居を立ち退かせた。工場近くに住むバイクタクシーの運転手(36)は「放火された工場には5千人の従業員がいたが、みな職を失った。おかげで稼げなくなった」と話した。

 「100万人の雇用機会が失われた」――。世界銀行は2020年10月からの1年について、そう分析する。

【連載】弾圧と抵抗のフロンティア ミャンマー政変1年

ミャンマー国軍のクーデターから、2月1日で1年。武力弾圧は続き、「アジア最後のフロンティア」と呼ばれた経済は混乱しています。そんな中、勇気ある市民らの証言を通じ、社会が負った深い傷を見つめました。

 新型コロナの感染拡大もあり…

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