ウクライナ情勢が緊迫する中、中国の対応に注目が集まっている。中国はロシアとの蜜月関係を深める一方、ウクライナとも経済協力を軸に良好な関係を維持してきた。「調整役」として積極的に関与することも可能な立場だが、中国はどう動こうとしているのか。カギを握るのは、あのイベントだ。
「歴史上、最高水準」とまで言われる近年の強固な中ロ関係は有名だが、中国とウクライナの関係はそれほど知られていない。
1992年に国交樹立した両国は、2011年に外交関係を「戦略パートナーシップ」に昇格させた。旧ソ連時代からの高い軍事技術を持つウクライナは、中国が進めた軍備増強に貢献してきた国でもある。
例えば中国初の空母「遼寧」はウクライナから購入し、改修されたものだ。
パートナーシップには双方の主権や領土に関わる問題で「互いを固く支持する」との文言もある。
その影響のためか、14年にロシアがウクライナ南部のクリミア半島を併合した際も、中国は「複雑な歴史的経緯と現実的背景がある問題だ」とあいまいな立場を貫き、ロシアの行動を承認することはなかった。
近年は、習近平(シーチンピ…