阪神大震災を経験 学んだ防災、故郷ペルーの仲間にも広げたい

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西田有里
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 神戸で外国人の支援活動を続ける大城ロクサナさんが昨年12月、母国のペルーで防災教育を広げる計画を国際協力機構(JICA)に提出した。日本に移り31年。阪神・淡路大震災の被災経験や、日本で学んだ防災の知識を、故郷の仲間に伝えたいという。

 大城さんは、日本に住むスペイン語を話す外国人を支援する「ひょうごラテンコミュニティ」の代表や、多言語で生活情報などを伝えるコミュニティー放送局「FMわぃわぃ」の理事を務める。スペイン語のラジオ番組や無料情報誌などで、外国人向けの防災情報を発信してきた。

 JICAに出した計画は、FMわぃわぃやひょうごラテンコミュニティが共同でまとめた。スタッフをペルーに派遣し、防災リーダーの育成▽災害時の情報伝達システム整備▽学校での防災教育▽官民で連携した災害への備えなどに取り組む。地域の災害情報センターも学校内に設ける考えだ。

 計画が採択されれば、政府の途上国援助(ODA)の枠組みで、JICAから業務委託を受ける形で実施できる。資金を得て、JICAの支援も受けながら活動を展開する。春には採択の可否がわかる見込みだ。

 計画提出の発端は19年4月、大城さんに届いた「防災のことを教えてほしい」というペルーからのメッセージだった。送ったのは、ペルーの海沿いの街で自主防災組織を運営する元教師のカルロス・ドナイレさん。

 ペルーでは津波などの災害がたびたび起きていたが、防災への意識や知識の蓄積があまりなく、ドナイレさんは危機感を抱いていたという。インターネットで情報を求めていたとき、阪神・淡路大震災や防災についてスペイン語番組で語る大城さんを知った。

 大城さんは20年10月、ドナイレさんが知人を集めたオンライン会議で、被災体験などを語った。現地の学校の校長らも参加して会議を重ねるなかで、日本の防災訓練や防災教育を、ペルーで実施できないかという話があがった。

 大城さんとともに計画を策定したFMわぃわぃ理事の日比野純一さん(59)は「海外の人が日本で学んだことを、母国に広げる輪が広がっていけば、日本にとっても意味がある」と今後の広がりに期待している。

「命を守る」言語の壁越えて

 大城さんの活動の原点は、「自分の命は自分で守らなければいけない」と知った1995年1月17日の体験だ。

 大城さんはペルー出身の夫と…

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