仏大統領選、深刻な左派の停滞 候補乱立で市民主導の「予備選」も
パリ=疋田多揚
4月のフランス大統領選で、「公正な社会」を訴える左派の停滞が深刻だ。5年前まで政権を担った社会党(中道左派)をはじめ、各候補の支持率は1割に届かない。見かねた左派の支持者は、乱立する候補者の一本化につなげようと、市民主導の「左派予備選」に踏み切った。
「左派を団結させたい。私がイニシアチブをとって、他の候補者に呼びかける」
1月30日、そう呼びかけたのはクリスチャーヌ・トビラ元法相(70)だ。39万人が参加したこの日の左派予備選で、首位に立った。
この予備選は、左派の支持者が中心になって呼びかけた。社会党公認のアンヌ・イダルゴ・パリ市長(62)、左翼「不服従のフランス」のジャンリュック・メランション氏(70)、環境政党「ヨーロッパエコロジー・緑の党」のヤニック・ジャド氏(54)ら7人の左派候補者を対象に実施。事前登録した人が、各候補を5段階でオンライン評価した。
トップに立ったトビラ氏はオ…