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仕組みあるけど…入院できぬ高齢者 職員も感染、施設の厳しい実態

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 新型コロナの感染者が全国で急増し、ワクチンの3回目接種も進まない中、高齢者施設のクラスター(感染者集団)も相次ぐ。4割の入所者が感染した西日本の施設の女性職員が朝日新聞の取材に応じ、病床が逼迫(ひっぱく)して高齢者が入院出来ない厳しい実態を語った。他施設から応援職員を派遣する国が進める仕組みも、感染者の急増で運用が厳しくなっている。長富由希子

「感染は、施設のどこまで広がっているか」

 「施設内で、感染がどこまで広がっているかさえ、わからない」。女性職員が勤務する施設は、約50人の高齢者が入所している。多くは介護が必要で、認知症の人も多いという。

 入所者のコロナ感染がわかったのは1月のこと。3回目のワクチン接種を進めているさなかだった。未接種の人も残る中、現在までに計約20人の入所者の感染が確認されたという。

 陽性者の急変や施設内での感染拡大を恐れ、施設側は全員の入院を保健所に求めた。しかし、入院出来たのは半数だけ。病床が逼迫し、残りの高齢者の入院はすぐには難しいと言われた。入院出来なかった入所者にも重い基礎疾患があり、発熱などの症状が出ているという。

 厚生労働省は「病床の逼迫時はやむを得ず施設内の入所を継続する場合がある」と事務連絡で示し、陽性の入所者らとその他の入所者の食事や生活の空間を区分け(ゾーニング)するなどの感染対策を求めている。

 女性の施設も、入所者に居室変更をお願いし、陽性者らが生活する「レッドゾーン」と、それ以外の入所者の「グリーンゾーン」などにエリア分けをしようとした。しかし、部屋の変更を強く拒む入所者もいて、完全なゾーニングは出来ていないという。

コロナ流行わからず 怒る入所者

 入所者の中には、新型コロナの流行を理解するのが難しい人もいる。ゾーンを出ようとする入所者には職員が声をかけるが、隔離の必要性を理解するのが難しく、怒り出す人もいる。

高齢の陽性患者を抱え、頼りの保健所も業務逼迫で混乱した様子。職員も検査キットも足りない中、クラスターが起きた高齢者施設の職員が感じた課題とは。在宅で暮らす高齢者が感染した場合の支援例も取材しました。

 「グリーンゾーン」に本当に…

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