運送会社の騒音で精神的苦痛、住民の損害賠償請求認める 岐阜地裁

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深津弘
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 自宅に隣接する運送会社の騒音が原因でうつ病などになり精神的苦痛を受けたとして、岐阜県瑞穂市の4世帯7人の住民が会社に損害賠償を求めた訴訟の判決が、岐阜地裁であった。鈴木陽一郎裁判長は騒音被害を認め、259万円の支払いを命じた。1月28日付。

 訴えによると、4世帯の住宅の隣に運送会社の営業所があり、トラック28台を配置し24時間体制で稼働。住民は昼夜、エンジン音や砂利を踏みしめる音、荷下ろしや高圧洗浄機を使う洗車の音などに悩まされ、うつ病や不眠症になった。騒音規制法の基準値を超え、運送会社が実効性のある対策を取らないため、2020年2月に約2600万円の賠償を求めて提訴した。

 一方、会社側は「国民生活に必要不可欠な食品の運送事業を営む」「苦情後、考えられる範囲の対応をした」などと反論。営業所は20年9月に移転した。

 判決は、「騒音は受忍限度を超え、原告は静穏な生活を送る人格的権利を侵害され精神的苦痛を負った」と判断した。精神疾患や健康被害との因果関係は認めなかった。

 判決に対し住民側の代理人は「慰謝料が低すぎる。納得できない」と話した。

 今回の騒音をめぐって住民は、19年11月に騒音差し止めの仮処分を申し立てた。岐阜地裁は20年2月、住民の訴えを認め、午後11時~翌朝6時は50デシベルを超えてはならないとした。その後も騒音は続き、住民は罰金にあたる強制金の支払いを求める間接強制を申し立て、地裁は同年4月、違反した場合1人あたり1日2万円を支払う決定を出し、債権執行の申し立ても認めた。運送会社は異議を申し立てたが、名古屋高裁判決で棄却が確定した。

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