「生活道路」通行に月2万円 本四高速沿いの島民、根強い値下げ要望

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照井琢見 藤家秀一
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 四国と本州を橋で結ぶ本四高速3ルートは、沿線の島の人たちにとって生活になくてはならない道路だ。島民の交通の便は格段によくなったが、割高な通行料が重くのしかかる。3ルートの完成から20年が過ぎた今も、通行料の引き下げなどを望む声は根強い。(照井琢見、藤家秀一)

 「生活道路に、私たちはバカにならない額を払っている」。愛媛県今治市の伯方島に住む金山加代子さん(77)は、納得がいかない。

 島で暮らす母の介護のため、15年ほど前に大阪から戻ってきたという金山さん。西瀬戸自動車道(瀬戸内しまなみ海道)を使うと、伯方島インターチェンジ(IC)から市中心部の今治ICまでは、ETC搭載の普通車で片道1450円(平日)かかる。非搭載車だと2510円だ。

 昨年11月に白内障の手術をした金山さんは、市中心部にある眼科への通院で1カ月の通行料が5万円に達したという。「普段でも月に2万円は払っている。年金暮らしには大きい」と漏らす。

 本四高速には、通行料が割高にならざるをえない独特の事情がある。2014年に全国一律の料金体系に改められたが、海上部などで1キロあたりの通行料単価が普通区間の4倍を超える「特別区間」が多いのだ。

 約13万人が暮らす淡路島兵庫県)では、明石海峡大橋と大鳴門橋部分の料金無料化などを長年訴えてきたが、実現していない。

 淡路島では割高な通行料を節約しようと、島内の一般道を走る大型トラックが目立つようになった。地元自治体は四国4県のナンバーが多いとして、昨年には香川県などのトラック協会に改善を求める要望書を出した。

 伯方島の金山さんが代表を務める「島の生活道路化(高速料金無料化)運動推進委員会」でも、しまなみ海道沿いの大島、伯方島、大三島の3島の人に呼びかけて、昨年3月までに約1万2千人分の署名を集めた。会のメンバーの一人は「通行料負担が2割の島があると聞いた。不公平感がある」と訴える。

 「神戸淡路鳴門自動車道(神…

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