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保健所業務逼迫、厳しさ続く 感染者急増、職員増でも足りず 神奈川

オミクロン株新型コロナウイルス

斎藤茂洋、茂木克信
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 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染爆発を受け、神奈川県は、保健・医療体制を「ステップ3」に引き上げ、緊急回避的な対応を取っている。保健所のコロナ対応の業務は大幅に絞られたが、感染者数は高止まりしていて、厳しい状況が続いている。

 「ご家族に体調の変化はないですか?」。今月1日、平塚市と大磯、二宮2町の保健所業務を担う県平塚保健福祉事務所で、職員らが電話に追われていた。

 管内の医療機関から届いた感染者発生届を元に電話をかける。感染者から本人や家族の体調を聞き取り、名前や年齢など届け出内容に間違いがないか確かめる。感染者情報システムに入力する作業もある。

 「体調が悪い。受診できる病院を教えてほしい」「子どもが通う保育園で感染者が出た。どう対応したらいいか」。そんな電話もかかってくる。事務所の職員約70人のうち30人ほどが、感染者への聞き取りや住民からの問い合わせの対応に当たっている。

 処理する発生届の数は、正月明けは1日1、2件だった。ところが1月中旬から急増し、今は1日200件前後に達する。昨夏の第5波のピーク時の倍という。派遣職員の数を増やしたほか、公衆衛生関係の大学職員や平塚市の保健師らも応援に入り、聞き取りなどにあたる人数は十数人増員された。それでも「問い合わせの電話が鳴りっぱなしの時間帯もある」(在塚浩之副所長)という。

 派遣職員は勤務時間が限定されるうえ、今後も増員できるかは見通せない。発生届の処理にあたっている職員の時間外労働は、深夜や土曜・日曜日にも及ぶ。在塚副所長は「職員の健康維持など、人の配置、やりくりに悩みを抱えている」と話す。

     ◇

 保健所のコロナ対応の業務は、発生届の処理のほかにも、感染者の行動を調べ、濃厚接触者を特定する積極的疫学調査▽感染者が出た施設で入所者・職員全員を対象に行う集中検査▽戸別訪問などによる自宅療養者の安否確認――などがある。

 県によると、新規感染者数が過去最多を更新した1月20日ごろから、保健・医療体制の逼迫(ひっぱく)が深刻化した。そこで県は21日、段階的に保健所などの業務を重点化すると表明した。

 同日時点を「ステップ2」とし、発生届の処理は、50歳以上もしくは5歳以下といった「重点観察対象者」を優先すると決めた。積極的疫学調査は、①医療機関②高齢者福祉施設③幼稚園・保育園④学校での感染者に限定し、集中検査は医療機関を除く三つの施設に絞った。さらに安否確認は、感染者の年齢や基礎疾患ごとに県が決めた「入院優先度判断スコア」が3点以上の人に限ることにした。

 28日からの「ステップ3」では、医療機関を受診せずに自宅療養に入る「自主療養」の仕組みを開始。積極的疫学調査や集中検査をさらに絞り込むなどして負荷の軽減に努めている。

 それでも感染者の激増に対応しきれず、県が所管する平塚、鎌倉、小田原、厚木の4保健福祉事務所(4センター含む)だけで、未処理の発生届が今月1日時点で1416件ある。県の担当者は「重点観察対象者に重点化する方針を徹底し、未処理の解消につなげたい」としている。(斎藤茂洋、茂木克信)

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