復興補助金で修復の漁協施設、9年近く稼働せず「見積もり甘かった」

藤田大道
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 東日本大震災で被災した茨城県北茨城市にある漁協の製氷工場が、国からの復興関連の補助金約2700万円を使って修復工事をしたものの、9年近く稼働しないままになっている。県などへの取材でわかった。

 1月中旬、工場を所有する大津漁協(北茨城市)などは、この支出などに関連して会計検査院の実地検査を受けた。県によると、補助金の返還を求められる可能性もあるという。

 県や漁協によると、製氷工場は1979年、まき網漁船に積み込む氷を作るために建てられた。2011年の震災時は、津波で浸水したほか、建物全体が傾くなどの被害を受けた。翌12年春までに、建物の壁の補強や新しい製氷機械の導入などの復旧工事を終えた。

 しかし実際に動かすと、建物の傾きの影響で、氷を運ぶコンベヤーのモーター部分に水がたまることが判明。12年冬ごろにモーター部分をかさ上げする再工事をしたが水につかり、13年春ごろには稼働が難しいと漁協が判断。その後は稼働していないという。県によると、一連の工事で水産庁の補助金計2700万円が使われた。

 漁協の担当者は、建物の傾きを直す工事をしなかった理由について、「いつでも漁に出られるよう、早く直す必要があった。傾きの見積もりが甘かったと言われればその通りかもしれない」と話した。今後については「会計検査院の指摘などがあれば対応する」とした。

 一方、県水産振興課の担当者は、漁協の報告を受けた時点で、漁協の資金で再び直すか、補助金を返すよう指導するべきだったと認め、「漁がほとんどできなかった当時、漁協に負担を迫れる状況ではなかった」と述べた。

 大津漁港では、福島第一原発事故の影響を受け、13年春まで漁の本格的な操業はできなかった。漁協は、水産庁の別の補助金約8億1500万円を使って15年に建てた新たな製氷工場を使っている。(藤田大道)

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