自律するAI兵器、近未来の戦争の姿は? 急がれる監視体制づくり

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聞き手・遠藤啓生
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 AI(人工知能)が自己判断で攻撃対象を選び、攻撃の判断も決める完全自律型の「AI兵器」が、現実の紛争で使用される可能性が高まっています。AI性能を駆使したドローンによる攻撃がリビアなどの紛争地で報告されています。操縦者の手や意思を離れた兵器が広がることへの懸念は、これまでも国際社会で共有され、議論されてきました。現時点でこうした兵器の開発はどこまで進んでいるのか、現実に使用される可能性はどのくらいあるのか。国際的な合意や規制の枠組みはあるのか。国連の「自律型致死兵器システム」に関する政府専門家会合に日本政府代表団として参加してきた拓殖大学の佐藤丙午教授(安全保障論)に聞きました。

 ――AIや攻撃型ドローンという言葉がニュースに登場するようになりました。昨年3月には、北アフリカ・リビアの内戦でドローンが人間の制御を離れて標的を攻撃した可能性があると、国連安全保障理事会の専門家パネルが報告書で指摘しました。自律型のAI兵器はすでに実戦で使用されているのでしょうか?

 人間の関与なしに、攻撃対象の選定から攻撃の判断までをする兵器を「自律型致死兵器システム(LAWS)」と呼んでいます。リビアで使用されたのは、トルコの企業が開発した無人の自爆型ドローン「カルグ2」でした。軍事組織がある地域まで飛行し、AI機能を使って追尾していた形跡があったと報告されています。最終的にAIが自ら攻撃の判断を下したとは言及していません。現在、完全自律型のAI兵器が実際に戦場で使用されたケースは、まだ確認されていません。

 ――完全自律型ではなくても、高性能のAIを利用した兵器開発はどこまで進んでいるのでしょうか。どのような国が特に関心を示しているのでしょうか?

 米国、中国、ロシアなどの軍…

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2022年2月6日8時9分 投稿
    【視点】

     ウクライナ危機で焦点になっているのは、ウクライナ軍が保有するトルコ製の自爆型ドローンがどのような機能を果たすかです。ウクライナ東部のルハンスク州、ドネツク州の一部地域は親ロシア派武装勢力が実効支配しています。ウクライナ軍はこの地域に自爆型