競技人口3億人うたう中国、冬季五輪続けたいIOC 「蜜月な関係」

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ロンドン=遠田寛生 稲垣康介
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 冬季スポーツ人口を3億人に――。習近平指導部が冬季五輪の招致時に掲げた目標を、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長はもろ手を挙げて歓迎している。

 「今回の大会で、世界の冬季スポーツは新たな時代の幕が開ける。北京五輪は歴史的な大会になる」。バッハ会長は断言する。

【特集】冬季五輪のカタチ  「持続可能性」をめぐる旅

「サステイナビリティー」(持続可能性)。最近、この言葉をよく耳にする。冬季五輪ではどうだろうか――。「スポーツの祭典」の持続可能性を考える旅に出た。

 陸上やサッカーなど、世界で広く浸透している競技と比べ、冬季競技を行うには、まず気象条件や会場の制約がある。しかも、スキー板やスケート靴などの用具からリフト代に至るまで、経済的な負担が重い競技がほとんどだ。

 こうしたことから、冬季五輪は夏季五輪に比べて規模が小さい。東京五輪は205の国・地域から約1万1千人が参加したのに対し、2018年平昌五輪の参加者は92カ国・地域の約2900人だった。冬季五輪の参加者を増やし、持続可能なイベントとして発展させたいIOCにとって、中国の力の入れようは願ってもない話だった。

 バッハ会長の言葉がリップサービスではないことは、中国の冬季競技の盛り上がりをアピールする組織委作成の「持続可能リポート」を、IOCが公表したことからも見てとれる。

 1月15日に公表されたこのリポートでは、2020年―21年シーズンで雪、氷の競技に触れた中国人は草の根レベルからプロを含めて2億3千万人、観光業収入は3900億元(約7兆200億円)、2018年に609カ所だったアイスリンクは倍近い1200近くまで増え、スキー会場も18年の524施設から800施設程度までに増えたなど、目標に向けて道のりが順調なことを示す。

 IOCは中国の冬季スポーツの盛り上がりについて、「地元地域や経済に長期的に利益をもたらすだろう」と評価する。北京大会でIOCの調整委員長を務めるフアン・アントニオ・サマランチ・ジュニア氏は、成長は大会後も続くとにらんでいる。

 大きな期待を抱いているのは、国際スキー連盟(FIS)も同じだ。

 FISは昨秋、北京に支局を構えた。北京五輪に向けて注目度が高まるなか、中国市場でのプロモーション活動などを迅速にできるよう態勢を整えたという。FISのヨハン・エリアシュ会長は昨秋の式典で、「中国は国際的な市場の中で最も重要視している一つで、成長が見込めるものすごい素質を秘めている」と話した。(ロンドン=遠田寛生)

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