郷亜里砂は遅咲きの旗手 所属を転々、指導者になって思い出した初心

菅沼遼
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 日本選手団の旗手を務めた郷亜里砂(34)は、所属先を転々とし、30歳だった前回の平昌大会で五輪初出場を果たした遅咲きのスピードスケーターだ。

 オホーツク海に面する北海道別海町の出身。ホテルを営む実家近くのリンクで、3歳のころにスケートを始めた。北海道・白樺学園高を経て山梨学院大に進んだ。しかし、国際大会の実績が乏しかったこともあって、卒業時に所属先が見つからなかった。

 引退も考えたが、つてを頼って、山口、そして北海道の企業に所属した時期を挟んで愛媛と、スケートが盛んではない県の国体強化選手として競技を続けた。

 愛媛では2014年からスポーツ専門員として競技を続け、日本スケート連盟がつくるナショナルチームの一員にもなった。平昌五輪は500メートル8位。「4年間、全力を尽くした」と引退を決め、愛媛に恩返しとばかり、指導者となって子どもたちに技術を教えた。

 だが、一生懸命に滑る子どもたちをそばで見ていると、スピード感が楽しかった初心を思い出した。思い返せば、平昌では初めての五輪の雰囲気にのまれ、完全燃焼できなかった。

 引退表明から1年。19年3月に現役復帰を表明した。「スケートを滑れる喜びを(復帰後の)3年で感じることができた」

 4日、ノルディックスキー複合の渡部暁斗(33)=北野建設=とともに、日本選手団の旗手として開会式に臨み、笑顔で手を振った。「無事に務めることができてホッとしている。すごく気持ちが高まった」。この大会は、涙ではなく、笑顔の大会にすると心に誓っている。(菅沼遼)

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