タイツの「アツギ」撤退のむつ市に3年ぶり企業進出 約40人雇用も

安田琢典
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 業務請負業「エスプール」(本社・東京都)は3日、自治体や民間企業の事務代行やコールセンター業務などを手がけるグループ子会社「エスプールグローカル」が、青森県むつ市に事業拠点「BPOセンターむつ」を設置すると発表した。

 県と市が誘致したもので、3月中旬に市役所内に事業所を開き、民間事業者向けにコロナ関連給付金業務を代行したり、マイナンバーカード関連など自治体の事務代行業務にあたったりする。むつ市が国内7拠点目となるが、いずれも都市部より人件費が低い地方に構えており、むつ市では新たに40人程度を雇う。

 市によると、市内への企業立地は約3年ぶり。オンラインで立地協定調印式に参加した浦上壮平社長は「狭い地域で人を集めるのは難しいが、むつ市には可能性を感じている」と話した。

 青森県むつ市の宮下宗一郎市長は3日、定例会見で雇用の場を確保するため、積極的な企業誘致を行う方針を明らかにした。定例会見の前に、業務請負業「エスプール」(本社・東京都)の子会社が同市への進出を発表したが、市内への新規立地は実に3年ぶり。高齢化と人口減少に歯止めがかからない地域だけに、今後の誘致には困難も予想される。

 同市では、ストッキング・タイツメーカー「アツギ」(本社・神奈川県)の国内生産拠点「アツギ東北」の工場が5月末で閉鎖される。市内最大規模の民間企業で、従業員約500人の大半は解雇される見込み。一方、エスプールの雇用規模は40人程度だ。

 宮下市長は「アツギ撤退は計り知れない影響があるが、離職者の生活や再雇用を支援していく。製造業を中心とする労働集約型だった昭和の企業誘致から、立ち上げのときから一緒にビジネスモデルを作っていく令和の企業誘致をめざしたい」などと話した。(安田琢典)

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