宇治茶の生産・販売用具 国の民俗文化財へ

小西良昭
[PR]

 京都府宇治市が集めた江戸末期~昭和40年代の「宇治茶の生産・販売用具」397点が、国の登録有形民俗文化財になる。文化審議会が1月21日、文部科学相に答申した。生産が機械化する前の用具が充実しており、製茶業と技術の変遷を理解できると評価された。府内の登録はこれで4件目。

 397点のうち、栽培、摘み、乾燥、選別、出荷・保存など農家や問屋が宇治茶の生産に使った用具が、約7割の285点。高級茶産地の宇治は、茶園に棚を組んでワラなどで覆い、日光を遮ってうまみを増やす「覆下(おおいした)栽培」が特徴だ。覆い用の丸太を立てる穴を開ける棒、覆いを取り外す際に縄を切る小型の鎌や、乾燥茶葉から古い葉を手でより分ける時に使う台の板は、他の茶産地に見られない用具だという。手摘みをする「お茶摘みさん」の歩合給計算に使った札もある。

 販売用具は112点で、そろばん、はかり、茶銘柄を袋に押す判子72点など。

 所蔵する市歴史資料館によると、宇治は手作業で高級茶を生産し、機械化が遅かったからこそ、こうした用具が残ったという。大半が機械化や廃業で農家や問屋から市に寄贈された物だ。館ができた1984年から集めてきた。家塚智子館長は「茶に関わる人が大事に使った用具を守るだけでなく、彼らの暮らし・なりわい、思いを後世に伝える弾みになる」と話す。

 一部は資料館で常設展示している。入館無料。月曜・祝日休み。(小西良昭)