SNSの「声」で国会は動くか 入管法改正案をツイッター分析した
SNSの「声」が力となって政治を動かすことがある。昨年、出入国管理法改正案への反対の声が上がり、廃案に追い込まれた。朝日新聞が当時の同法案に関係するツイッター投稿を分析した。声は政治に届くのか。
岸田政権で初の通常国会が始まって3週間。新型コロナウイルスの「第6波」が広がるなか、予算審議は与党ペースで進む。
与党は昨年の衆院選で、国会を安定的に運営できる絶対安定多数を確保した。さらに野党側も一枚岩になれていないことから、異例の早さで予算案が衆院を通過する可能性も出ている。
一方、昨年の通常国会は終盤、スリランカ人女性が名古屋の入管施設で死亡した事案をめぐり揺れた。
政府・与党は入管法改正案を成立させようとしたが、採決をあきらめた。踏みとどまらせたのは、SNSでうねりとなった批判や反発の「声」だった。
名古屋出入国在留管理局に収容されていたスリランカ出身のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡。その後の入管当局の対応などに批判が高まり、野党は施設内のビデオ映像を開示するよう国会で迫った。
この頃、与党幹部の議員会館の事務所には抗議のファクスが大量に届いた。新型コロナ対応で菅政権への風当たりが強まり、支持率も下落。衆院解散のタイミングを探る中で、政府・与党は採決を見送った。ある与党幹部は「選挙と世論の見合い。無理しなくてもいい」と理由を語った。
朝日新聞は、世論の高まりと国会審議の関係を調べるため、「ブランドウォッチ」という分析ツールを使ってツイッターの投稿状況を分析した。
法案が閣議決定された昨年2月19日から法案が見送られるまでの3カ月間、「入管法改正案」という言葉が含まれている投稿を集計した。
ツイートやリツイートの回数…