第2回「殴るからな」とすごんだ石原慎太郎 尖閣購入断念の夜に発した言葉

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釆沢嘉高
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 「お前、朝日か。みんなの前で殴るからな」

 東京都庁の担当記者だった2012年4月、当時の石原慎太郎知事の「囲み取材」の場ですごまれたことがある。石原氏の小説が原作の映画のロケで、静岡県内のゴルフ場を訪れた際だ。

連載「番記者が見た石原慎太郎」(2回)はこちら

 1日に死去した石原慎太郎氏に、朝日新聞が「番記者」をつけた時期があった。最近では東京都知事時代と、都知事を辞め国政へ再進出したころだ。都政や都政を超えた尖閣諸島問題、さらに政界全体のキーマンとなった時期にあたる。番記者たちは石原氏をどう取材し、どんな「顔」をみたのか。2回にわたり報告します。

 発言のきっかけになったのは数日前に書いた「石原知事 都政飽きた?」という見出しの夕刊記事だった。4期目就任から1年たったタイミングで、登庁日数の少なさや新党結成をほのめかしていること、数日前に同行取材したワシントン出張で突然、都として尖閣諸島を購入する方針を表明したことなど石原氏の近況に触れ、「都政への関心は薄れた」とささやかれている現状を記事にまとめた。

 知事とのやりとりを知った都庁幹部や会社の上司が心配してすぐに電話をくれた。「大丈夫か」。本当に殴られたと勘違いしていた。

 さすがにそんな「大事件」は起こっていない。石原氏も以降は記事を話題にすることはなかった。そして実際、その半年後には任期途中で国政返り咲きのために都政を見切り、辞職することになる。

 迫力のある言葉を浴びたのは一度や二度ではない。都庁の定例記者会見でもさまざまな応酬があった。

 尖閣諸島の購入計画の進捗(…

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