高梨沙羅、荒れる風を攻略したが運もらえず 2大会連続のメダル逃す
勝見壮史
優勝争いは混戦だった。高梨にもチャンスはあった。
悩まされたのは、荒れる風だ。
公式練習をこなした選手たちによれば、踏み切り地点や、着地するところで、風向きが違うこともあるという。しかもかなり強く吹く。
「毎日いろんな方向から風が吹いてくる」(高梨)。スキーがぐらつけば、その分、抵抗が生まれて飛距離を伸ばせなくなる。当たり外れが結果に影響を与える台だと、皆が自覚していた。
高梨は練習日の3日、出場選手で唯一100メートル台を3回そろえていた。
「いいスタートが切れた」
感触はよかったはずだった。
競技の1回目は98・5メートルで5位。「少しタイミングが遅れた」と反省したが、スキーをばたつかせずに抑えて飛べた。ただ、有利な向かい風が、上位5人の中で一番弱かった。
2回目は100メートルを飛んで順位を一つ上げたものの、2大会連続での表彰台には届かなかった。
「この4年間で作りあげてきた結果が4位。すごく自分の中で受け入れられている。満足できる結果」
一方で、いろんな感情があふれているとも言った。
「もう私の出る幕ではないのかもしれないなっていう気持ちもある」
涙がこぼれた。(勝見壮史)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。