1200年前の大王に匹敵 在位70年、エリザベス女王の存在感とは

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 英国のエリザベス女王(95)が6日、英国の君主として初めて在位70年を迎えました。勤勉に公務にあたる女王は多くの国民に慕われており、6月には4日間にわたって盛大な祝賀式典が予定されています。世界の王室の中でも特別な存在感があり、注目を集めてきました。エリザベス女王が果たしてきた役割とは、どんなものなのでしょうか。「立憲君主制の現在」などの著書があり、世界の王室事情に詳しい関東学院大の君塚直隆教授に聞きました。

――歴代の英国王に比べて、エリザベス女王にはどのような特徴がありますか?

 彼女はエリザベス大王(エリザベス・ザ・グレート)と呼ばれるようになるでしょう。「下り坂」の時代の英国を国民統合の象徴として70年も支えました。昔の大英帝国ではないが、英国は国際政治の中で一定の存在感と地位を保っている。いろんな国からも信頼を寄せられ、それなりの立場にあることの背景には彼女の尽力があります。

 英国の最盛期はビクトリア女王の時代。19世紀後半に世界の陸地面積の2割を占めた大英帝国の時代で、上り調子時代の女王でした。

 ところが、エリザベス女王は逆に英国が「下り坂」の時代と重なった。第2次世界大戦後、「英国病」などと言われたように、経済的な低迷を経験した。カトリック系武装組織のアイルランド共和軍(IRA)のテロも吹き荒れた。1980年代の「サッチャー革命」で経済的には復活したが、国内での貧富の格差が広がった。

 つまり複雑で、困難な時代に「統合の象徴」として役割を担い続けました。

 イングランド史でザ・グレート(The great)と呼ばれたのは、はるか昔、1200年ほど前のアルフレッド大王しかいない。バイキングを追い払い、イングランド・アングロサクソン系のまとまりを保った。自身も40歳からラテン語を学び直し、いわゆるイングランドの文化を復興させたことで大王と呼ばれています。

 エリザベス女王は彼と匹敵するか、それ以上かもしれません。

――「下り坂」の時代における統合の象徴ですか?

 そうです。時代の変化ととも…

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