無戸籍者を支援「全国で行政とケンカ」 NPO立ち上げた女性の原点

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渡辺七海
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 奈良市でイベント用品販売などを手がける「いち屋」を営む市川真由美さん(54)は、NPO法人「無戸籍の人を支援する会」(同市)の代表も務めている。

 多忙な日々を過ごす。平日は昼すぎまで、いち屋が運営する奈良佐保短期大学(同市)の学食で働き、その後は店へ。夜は仕入れや会社の経理。週末も仕込みや催しなどをこなす。さらに、時間を作って栃木や沖縄など、全国を飛び回る。無戸籍者に会いに行き、必要な資料をそろえて戸籍や住民票の取得につなげるなど、彼らを支援するためだ。これまでの活動で4人が就籍し、12人が住民票を取得できた。

 小さい頃に突然女性に連れてこられて女性の家族として育てられた男性や、外国籍の女性と内縁の日本人男性の間の子ども。相談者の背景は様々だ。就籍までの道もそれぞれ異なる。父親を探し出して自身の子どもと認めさせたり、年齢を証明するために在学中の写真を探し出したり。本人の代わりに役所で直談判し、何時間も待つなど、あらゆる手を尽くす。これまでのケースはいずれも、就籍まで1年以上かかった。

 活動について「伴走者でありたい」と話す。自身も虐待や闘病を経験し、1人では抜け出せない苦しみがあると知っている。

度重なる母からの暴力 続く苦難

 1967年に山口県で生まれ…

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