この冬を最後に、20年間親しんできたコブ斜面に別れを告げる。32歳、星野純子。今大会は、8年ぶり2度目の五輪だった。
6日にあったモーグル決勝1回目は、スタート直後のターンが乱れて13位。拭いきれないほどの涙があふれた。
「本当に悔しい気持ちでいっぱいです。けど、8年ぶりに戻ってくるのは、自分一人ではできなかった。サポートしてくれた方々の協力があってこそ。お礼を伝えたいなと思います」
4年前、平昌五輪の出場は逃した。28歳だった。ただ、過去に34歳まで現役を続けた上村愛子や、36歳まで五輪をめざし続けた里谷多英の姿を目の当たりにしてきたから、あきらめるつもりはなかった。
とはいえ、モーグルは250メートルのコブ斜面を猛スピードで滑り降りるタフな種目。トップ選手で30代は珍しい。実際、今大会にエントリーした女子選手で、1980年代生まれは1人しかいない。
北京五輪をめざす過程は楽ではなかった。「そろそろ潮時じゃない?」と言われたこともある。五輪種目とはいえ、モーグルはマイナースポーツだ。所属先に負担をかけていると思えば、五輪を逃した自分がいつまでも続けていられないとも思った。だから「あと4年だけ、頑張らせてもらおう」と決めた。
星野の涙を見たことがある…
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