全国で唯一水道のない町 阿蘇の恵み受ける「井戸の町」に異変なぜ?

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編集委員・堀篭俊材
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現場へ! 水道のあした③

 「これで水をくみあげるんです」。熊本県嘉島町に住む牛嶋文男さん(68)が炊飯器の大きさほどの電動ポンプを指さした。家の片隅にあり、地下約50メートルにある井戸とつながっている。

 熊本市の南側にある嘉島町は火の国が生んだ「水の町」。阿蘇山に育まれた地下水が随所でわきでる。水面に神社が浮かんでみえる「六嘉(ろっか)湧水(ゆうすい)群・浮島」は環境省の「平成の名水百選」に選ばれた。

 どの家も井戸の水で暮らす。年1回の水質検査は受けるが、水道料金はかからない。「ミネラル分たっぷりの水が、ただで飲み放題。これでお風呂にも入ります」

 水自慢の牛嶋さんが、そのありがたさに気づかされたのは6年前、熊本地震のときだった。

 2度目の地震で屋根の瓦は全部落ちた。もっと困ったのは、地下水が濁り、砂を吸ったポンプが動かなくなったことだ。復旧までに約1カ月かかり、その間は近所から水をもらってしのいだ。

 記者もコップ一杯の水をいただいたが、雑味はなく、コンビニで買う天然水のようだった。それもそのはず、町には、阿蘇の水でビールやミネラルウォーターなどをつくるサントリーの工場がある。

 全国で唯一水道のない町。そ…

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