第6回誹謗中傷を温存する空気にノー「前例つくらなきゃ」私はそう決意した

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聞き手・藤えりか
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クリエーティブ・ディレクターの辻愛沙子さん

 クリエーティブ・ディレクターの辻愛沙子さん(26)は、テレビの報道番組やSNSなどで政治や社会問題について発言を重ねる一方で、匿名でひどい言葉を書き込むアカウントに対しても一定の対話を試みながら、発信者情報の開示請求も進めています。背景などを、詳しく聞きました。

 ――日々、どんな思いで発信を続けていますか。

 今の社会は、他人を匿名で傷つけ時に死に追いやるほどの「悪意」が、あまりに当たり前のものとして存在してしまっているように思うんです。「良くはないけど、まぁそういうものだから」と、どこか諦めに近い慣れが蔓延(まんえん)して、社会全体が「自分さえ当事者にならなければ」と見て見ぬふりをしている。

 だから、いざ被害を受けた時に「相手にしない方がいいよ」と諭されることが多いのではないかなと。それってある意味、合理的かもしれないけれど、じゃあその人が受けた傷はどうしたらいいの?と思うんですよね。

 泣き寝入りをデフォルト(初期設定)にする社会はすごく暴力的だと感じます。だから、少なくとも私自身は思ったことをはっきり言うし、嫌がらせを受けたらしっかり法的対処を取る姿勢を見せることで、傷ついても我慢しなければいけないなんてことはないんだという前例を少しでも増やせれば、という思いで発信しています。

 政治や社会に無関心と言われがちな世代だとしても、私自身が自分の言葉で政治について語ることも含めて、今までにあまりなかった前例を作って、タブー視されている風潮を払拭(ふっしょく)していかないと社会が変わらない、という感覚がものすごく強いです。私自身の生きる大義にもつながりますが、それが私の人生の中で大きなモチベーションになっています。だから、わきまえずに自分の意志として大事だと思うことを発信しています。

当たり前にはびこる異常性

 ――ツイッターなどでひどい言葉を投げかけられた場合にでも、それを引用しながら言葉を尽くして説明しようとしておられますが、どんな思いがあるのでしょう。

 相手を論破したいとか、納得…

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