アフリカのため、「無職」スキーヤーが挑む五輪 裕福な未来なくても

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遠田寛生
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サミュエルウドゥイゴウメ・イクペファン(ナイジェリア

 夢の舞台に30歳でたどり着いた。遠回りした自覚はあっても後悔はない。スキー距離男子に出場。ナイジェリア選手が同種目に出るのは初めてだ。

 雪山を滑り降りる瞬間はいつも格別だ。「自然に囲まれ、肉体的にも精神的にも限界に挑戦できる。そんな気持ちになれる」。五輪ならば、なおさらだ。

 フランスで生まれ、6歳でスキーを始めた。友人たちと同じように当初はフランス代表を目指した。

 壁は厚く、一時期は競技をやめようと考えた。離れてみたものの、情熱は消えない。2015年、父親の出身であるナイジェリアで再び五輪を目指すと決めた。19年に代表チーム変更が承認された。

 「母の出身であるフランスへと同じぐらい、父の祖国への思いもずっとあった。これからもナイジェリアの未来のために、力を尽くしていきたい」

 とはいえ国際大会を転戦し、ポイントを獲得していく過程は一緒だ。道のりは同じく険しい。

「アフリカ大陸の子どもたちに」

 最も頭を悩ませたのがお金だ。賞金は限られ、選手としての収入はわずかだ。

 現在4歳の息子も養わないといけない。常に生活はぎりぎりだった。

 過去6年間、冬はリゾート地…

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