アジアの脱炭素化へ、ADBが新基金  石炭火力の廃止促す

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吉田貴司
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 アジア開発銀行(ADB、本部マニラ)は今年から、新興国の脱炭素化を支援する新たな取り組みを始める。各国政府や金融機関、慈善団体などから集めた基金で石炭火力発電所を買い取るなどし、なるべく早く発電をやめる道筋をつける。まずインドネシアフィリピンベトナムの3カ国から始めるという。

 取り組みの名称は「エネルギー移行メカニズム(ETM)」で、昨年11月に英国で開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)にあわせてADBが打ち出した。各国政府や金融機関、慈善団体などから25億~35億ドル(約2875億~約4025億円)規模の資金を集め、国ごとに基金を創設する。日本政府は各国に先駆け、ETMに2500万ドル(約28・7億円)拠出することを表明している。

 基金は無償で提供される資金を含むなど利子の負担が少なく、発電所を買い取った後で元々想定していた投資の回収期間を早めることができる。太陽光や風力など再生可能エネルギーへの投資の拡大も支援し、各国のエネルギー構成を脱炭素化の方向へ導くという。

 ADBの浅川雅嗣総裁は3日、朝日新聞のオンライン取材に応じ、このETMの取り組みを「革新的なメカニズム」としたうえで、「少しでも地域内の二酸化炭素(CO2)の削減に貢献したい」と語った。

 浅川氏によると、第1弾とし…

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