EU、天然ガス確保に躍起 ウクライナ緊迫下、輸入の4割ロシア依存
ウクライナ情勢の緊迫が続き、欧州連合(EU)が天然ガス調達の拡大と多様化を急いでいる。ロシアからの供給が混乱したり、最悪の場合は途絶えたりしかねないからだ。7日には米国とエネルギー協議を開催。有事の対応なども議論し、対ロシア外交での弱点の克服にもつなげる。
米ワシントンでのエネルギー協議には、米国のブリンケン国務長官、グランホルム・エネルギー長官らが、EU側はボレル外交安全保障上級代表、シムソン欧州委員(エネルギー担当)らが参加した。気候変動問題などを幅広く取りあげるが、焦点は欧州のガス供給の確保策だ。ボレル氏は会議の冒頭、「ロシアはエネルギーを武器に使うことをためらわない」と危機感をあらわにした。
バイデン米大統領とフォンデアライエン欧州委員長は1月末に共同声明を発表し、仮にロシアがウクライナに侵攻して混乱が広がるような場合にも、「世界各地から欧州に十分な供給がなされるよう取り組む」と表明した。米国は中東のガス産出国カタールの液化天然ガス(LNG)輸出の一部をアジアなどから欧州へ振り向ける調整にも乗り出している模様で、7日のエネルギー協議ではこうした点も話し合うとみられる。
シムソン氏も1日、カタールのカアビ・エネルギー担当相とオンラインで会談。4日に、アゼルバイジャンからトルコ経由で欧州につながるガスパイプラインの関係国会議に出席した際には、アゼルバイジャン側と会談して供給増を要請し、会議後の記者会見で「増産への取り組みを歓迎する」と謝意を示すなど働きかけを重ねている。
EUが危機感を深めるのはガス輸入の約4割をロシアに頼るからだ。ブリュッセルのシンクタンク「ブリューゲル」によると、ロシアが2月初旬に供給を止め、厳冬に見舞われて暖房などの需要が増えた場合、3月末までにEUの貯蔵はカラになるという。
EUも手をこまぬいてきたわ…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら