禁輸解除の台湾、中国との差を強調し世論説得 TPP加盟めぐり思惑

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台北=石田耕一郎 五郎丸健一
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 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権は日本食品の輸入規制の大幅緩和をめぐり、環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟で競う中国との差を強調した。一方、日本政府は台湾の解除をてこに規制を残す中韓を説得したい考えだが、先行きは不透明だ。

 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権は8日、東京電力福島第一原発事故から継続してきた福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産の食品禁輸について、2月下旬に大半を解除するなど、大幅に規制を緩和すると発表した。環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟をめぐって、中国に先んじて緩和に踏み切ることで、日本など加盟国から支持を得たい構えだ。

 「産地を指定して全ての食品の禁輸を続けるのは世界で中国と台湾だけだった」。台湾行政院(政府)の羅秉成報道官は8日の会見で、日本食品の輸入を規制している国の一覧表を用意し、中国が禁輸を続ける一方で、TPP加盟国すべてが禁輸を完全に解除していると強調した。

 台湾はもともと日本食品の品質への信頼が高く、日本にとって重要な輸出先だ。人口約2300万人ながら、禁輸の契機になった東京電力福島第一原発事故前の輸出額は609億円(2010年)に上り、香港、米国に次ぐ規模だった。8日に台北市のスーパーで日本の食品を見ていた60代の女性は「味がいいし、今もよく買う。贈り物でも喜ばれる」と言う。

 ただ、世論の多数は18年の…

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