浜松の酒「Enshu」誕生 食用米で新ジャンルに

大平要
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 【静岡】浜松の米と水で、浜松市内の蔵元がつくる新しいお酒「Enshu(エンシュ)」が誕生した。浜松酒造(同市中区)が醸造した第1弾は、浜松市内の16の飲食店で、21日から提供する。監修した浜松パワーフード学会の秋元健一会長は「地元の農家と酒蔵、飲食店が力を合わせ、従来の日本酒とは違う新しいジャンルに育てたい」と意気込んでいる。

 同学会はEnshuについて、地元産を使う以外に「精米歩合を90%にする」という条件を設定した。日本酒では精米歩合が小さいほど雑味が少なくなり、「大吟醸」を名乗るには50%以下まで削る必要がある。だが、あえて米をほとんど削らないことで「米のうまみを残し、廃棄物も減らすことができる」(秋元会長)と考えた。

 第1弾の原料は、加茂農園(同市西区)が育てたコシヒカリ。香りがよく、少し甘酸っぱい味に仕上がった。浜松酒造製造部の増井美和さんは「雑味をどう抑えるかを考えたが、米が良いので思ったより雑味が出なかった」と言う。

 Enshuには、「遠州」と「縁(をとりもつ)酒」の意味を持たせた。名付け親は同学会特別顧問で徳川宗家19代の徳川家広氏だ。ボトルとラベルは、遠州灘をイメージした青色にした。

 第2弾は現在、花の舞酒造(同市北区)が開発、醸造を進めている。同じ「Enshu」だが、赤いラベルを貼る。二つの酒造会社はコシヒカリ以外の銘柄米を使った商品や発泡タイプの商品も開発し、将来的には酒屋での販売も検討するという。

 飲食店での提供は、グラス1杯(約90ミリリットル)500円ほどで統一する予定。問い合わせは同学会事務局(053・454・2219)へ。(大平要)